クリストファー・ノーラン監督作品最新作「オッペンハイマー」が3/29に公開されました。翌30日にグランドシネマサンシャイン池袋12階のIMAXシアターで観ました。とりあえずその感想を。
ノーラン監督作品のファンは多いと思いますが、私も例外ではなく、彼の作品が出るたびにできるだけ早く映画館に観に行っています。
今回は原爆を開発した物理学者オッペンハイマーが主人公です。戦争と原爆の歴史は知っていますが開発者自身には正直興味を持ったことがなかったので、「面白いのだろうか?いやノーランを俺は信じる。」みたいなテンションで映画館に向かいました。
ネタバレなし感想
結論としてとても楽しめました。俺達のノーランは裏切らない。
約3時間とかなり長尺でしたが、流石はノーラン監督でその長さを感じさせない映画でした。前情報として、時間軸があっちやこっちやでわかりにくいという話を聞いていましたが、個人的にはあまり気にならなかったです。
あと、少し心配していたのは、去年外国で公開されたときに本作を観た一部の日本人が「日本で公開が見送られていることは理解できる」という旨のことをネット上で述べていた点です。真に受けてしまった私は、もしかしてある種の原爆肯定論にも捉えられる内容だったのかと少し想像していました。
いやノーランやぞそんなわけなかろう!ちゃんと世界に核爆弾のある現実について考えさせる内容になっとったろ!ということで、もしまだ観ていなくて似た心配をしていた人は安心して観てください。
以下ネタバレに片足突っ込みます。
ネタバレあり感想

個人的に印象に残っているシーンは、やはりクライマックス原爆の実験が行われる過程と、それが日本に投下され終戦したあとからオッペンハイマーの苦悩が始まっていくところでしょうか。
オッペンハイマー含む科学者たちは、核分裂の連鎖が地球の大気をすべて焼き尽くし世界を完全に破壊する可能性をゼロと断言できない、と言います。それでも彼らは原爆の実験を進める判断をします。私達からすると、「え、確証ないのに普通に実験しちゃうの???」と思うわけです。しかし実際そうだったわけですから、人類マジ愚か。。という気分です。
着々と実験の準備を進めるシーンのサウンド(音楽?)はとても印象に残っています。放射線測定器の音(カカカッて感じ?)に似た音が耳鳴りのように鳴り続けていて、何かが徐々に壊れていっていることを連想させられます。
実験は計算通り成功しますが、その時点で爆弾の運用について意見できる立場ではありませんでした。大量破壊兵器なので慎重に運用されていくかとどこか信じていたのでしょうが、周囲は全くそうでないことにあとから気づくのです。そして、すぐに広島と長崎に原爆が投下されます。これまた人類マジ愚かポイント高い。
終戦後、オッペンハイマーは国を救った英雄として祭り上げられます。ここは観ててとても辛いシーンでした。人々は英雄=自身に熱狂的になっていますが、当のオッペンハイマーは大きな絶望を感じます。
オッペンハイマーは元々原爆開発にノリノリでしたが、以上の流れもあり、その後水爆開発に反対する立場をとるようになることについて、とても説得力のあるものとなっていました。
劇中、オッペンハイマーとアインシュタインの会話しているが何を話しているかわからないシーンがありました。ラストでそれがわかるわけですが、これをラストに持ってくるというのが、ノーラン監督らしいというか、すごく痺れたシーンでした。
日本公開が遅れた件について
公開が遅れたのは大変残念でした。冒頭にも書いた通り、この映画は明らかに核爆弾のあり方について問う重要な作品です。事情があるのはわかりますが世界と同時に公開する決断をしてほしかったですよ大手配給会社さん。
そして、今回公開する決断をしてくださったビターズ・エンド、まぢありがとう!配給権得るために結構な金額払ったのではないですか(知らんけど。)?ノーラン作品ファンとしてはもうビターズ・エンドに足向けて寝れない。一生ついていきやす。
さいごに

まあノーラン映画を IMAX でみるのはデフォとして、都内だとやはりグランドシネマサンシャイン池袋の IMAX レーザー GT がおすすめです。この映画館でしかみれないアス比でみれるのですがこれにより他とは異なる映画体験ができます。とてもよかった(小並感)。
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