遡ること3ヶ月前、会社の健康診断の結果が返ってきたのが始まり。Aの評価ばかりの中に一つだけE評価が混じっていた。便潜血である。要検査ということで、病院の紹介状も一緒に送られてきた。
実は去年の健康診断でも同じ評価がされていたが、何年も前から慢性的な痔だったので、(それにまだ若いし)どうせ痔の血が混じっただけだろうということで無視していた。しかし今年は家庭環境の変化もあり周りから強く勧められ、念のため診てもらったほうがいいかなという気持ちになり、検査を受けることをケツ断した。
先に結論を書いておくと特に問題は確認されなかったということで一安心。
検査のために連絡を取ったのは、健康診断の結果で指定されていた病院「JCHO東京新宿メディカルセンター」である。初診は予約をとった2週間ほど後だった。
もちろん、初診の日にいきなり検査を行うわけではない。医者から説明をうけ、検査日の予約のみをした。
受けた説明といえば概ね以下のこと:
- 検査のリスク。極々稀ではあるが、怪我や最悪死ぬリスクもあるそうだ。(重ねていうが極々稀)
- 前日の食事。初めて知ったが世の中には大腸内視鏡検査食というものがあって、前日の三食はこれを買って食べるように、ということだった。
- 当日の流れ。後述
- 検査後数日の行動の注意。あまり遠出とかするなと。
医者曰く私くらいの年齢(ギリ20台)の人は、この検査で悪い結果がでることはほぼ無いそうだ。要は私みたいな痔でやってくる人が多いのだろう。
というわけで当日。
朝9:30時ごろに病院に到着し、まず売店で大腸検査用パンツを購入。ケツのあたりに穴が空いている。間違っても逆で履いてはいけない。
その後手続き諸々を終わらせたあと、1.8Lの下剤を一時間から二時間かけて飲む。部屋とかではなく病院の通路だったのはトイレに行きやすくするための配慮だったのだろうか。下剤はスポーツドリンクのような味で、飲みやすいものだった。でも調子に乗って一気に飲むとリバースしそうになったので、ある程度ペースは緩めた。
同じ日時に、私以外に中年男性と中年女性も検査するということで三人並んで下剤を一所懸命飲んでいた。下剤の効く速度は個人差が大きいようで、私は一時間ほど経ってやっと便意が来始めたが、その間に中年男性の方はすでに何度もトイレへ駆け込んでいた。
検査するためには、出す便が色のつかない液体にならないといけない。私は下剤を飲み切るまで二時間かかり、そのころには便は透明に近い液体になっていた。約7回ほどトイレに行ったはず。どんなものかと思っていたが、特に腹痛が起きるとかはなく、ただ急に、そして一度くると立て続けに便意がくるのでトイレのそばから離れなれない。透明になった便はスマホで写真を撮って残しておき、後に看護師にそれを見せて状態を報告する必要があった。
下剤を飲み切ってしばらくするともう便意はこない。よくできたものだ。
透明になったことを看護師に報告したあとは、心の準備をする時間など与えれれずすぐに検査室に呼ばれた。何度もいっている通り(最近はかなりマシになっているが)痔持ちなので、検査するときはかなり痛むことを想像して気分としてはかなり憂鬱。私のケツは一体どうなってしまうのか。
検査室に入ると、カーテンで仕切られたところでまず着替えるように言われ、ここで朝に購入した検査用パンツと用意されていた検査着を着用。カーテンを開けると目の前に検査台のベッドがあり、そこに座るように言われる。
検査室にいたのは実際に検査担当の男性の医者と看護婦さん複数名。意外にも担当の医者はみたところ私より若い二十代な感じで好青年という印象だった。すみません、私の汚いケツをよろしくお願いします…。
鎮静剤投与することを希望したので、まずその投与から始まった。右腕から点滴する形で行う。それを始めるとすぐにベッドに横になるように言われ、ついに検査が始まった。え、鎮静剤効くまで待たないの???と思いながらケツを医者に向ける。でもたしかに割とすぐにフワっとした感覚になってきた。
まずケツを医者に向ける方向で横に寝て、膝を抱えるように背中を丸めるように言われる。「じゃあいれますよー」という声が聞こえ、異物が体内に侵入してきたことを感じる。潤滑剤つけてもらっているとはいえ、意外にもケツの穴はほぼ痛みを感じなかった。痔なのに。鎮静剤のおかげかと思ったがケツの感覚が鈍ったような感じはしない。こんなものなのかと少し拍子抜け。
まず内視鏡を大腸の一番奥まで入れたあと、それを外に出していきながら確認していくらしい。内視鏡が大腸を移動しているときは異物が腹の中で暴れている感覚があり、痛みはないものの不快感が強い。ここで鎮静剤がよく効いてきていて、あまり思考がぱっとしないというか、すべてのやる気元気が失われたよう。少しも体を動かす気にならない。見れるものならカメラの映像を見てやろうと思っていたが、その元気すら鎮静剤に吸い取られていた。
最後、医者が「痔の様子見ます、痛むなら言ってくださいね」と言ったあとケツ穴付近(内部)に強烈な痛みを感じ即刻音を上げてしまい、じゃあこれで終わりましょうということで検査は終了。
最後以外はほぼ痛みはなかったがとても疲れた感覚が残り、鎮静剤の効果が切れるまでのしばらくの間はゾンビ状態と化していた。
ソファのあるところでしばらく休んでいてくださいということだったので、遠慮なくゆっくりさせてもらう。その間、検査中に聞こえていた医者と看護婦の会話で少し気になったことがあったのでそれについて調べてみた。
気になったのは炎症が起きている、そして「アメーバ」という単語。検索すると国立感染症研究所の記事がヒットした。アメーバ性腸炎というものがあるらしい。なるほどこれを疑われていたわけか。
アメーバ性腸炎は,赤痢アメーバEntamoeba histolyticaが大腸粘膜へ感染することにより発症する。以前は,発展途上国からの帰国者による輸入感染症として重要視されていた
https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2351-iasr/related-articles/related-articles-442/6947-442r05.html
そういえば検査中に、医者から最近海外渡航したか質問されたな。何年も渡航していないのでそのように答えた。
そして続けて読むと、
が,近年では,国内において男性同性愛者を中心とした性感染症の一つとして認識されつつある
https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2351-iasr/related-articles/related-articles-442/6947-442r05.html
( ゚Д゚)
え、あの、いや、そのような経験は本当にございませぬゆえ…。医者、渡航歴聞いたあとなにも言わなかったけどさてはあっ(察し)みたいな感じだったのか???違いますよ???信じてくれ。
そしてあとから看護婦から説明をうける。本来はその直後に診察結果を聞くことになっていたが、大腸内で採取したサンプルを検査するということで、結果は2週間後ということとなった。これは想定外。ポリープがあるとかよりは大腸炎のほうがマシなイメージではあるが少し心配になってきた。
(以上のことを嫁に話すとクソ笑われた。いやこっちは本気なんだが。)
鎮静剤の効果がほぼ完全に切れてから会計へ向かう。検査費用はちょうど2万円ほどだった。さすがに高いね…。まあこればかりは仕方ない。
そして今日がその検査結果を聞く日だったのだ。結論、アメーバとかいうやつや、その他悪性の菌は無かったらしく、一安心。ただ炎症が起きていることは間違いはなく、今後潰瘍性大腸炎になることも考えられるとのことで、来年も診ましょうということになった。まじか。
そんなわけで、一応私のケツの平和は保たれたのだった。
最後に、私と同じように便潜血で要検査になった若者たちに。
- 痔の自覚があるんだったらまあ安心でしょう
- でも一応診てもらうに越したことはない。検査費用2万円ほどするけれども。
- 大腸内視鏡検査、大丈夫、全然怖くない。経験として少し楽しめたよ。
あと、検査を受けた病院「JCHO東京新宿メディカルセンター」で関わった先生らにはお世話になりました。星5です。
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